インプラントの治療を勧められた方はたくさんいらっしゃると思います。
数年前に来られた方は他院にて上の前歯を4本抜いてインプラントを入れようと勧められた方でした。
前歯がぐらぐらしているので抜いてインプラントを入れたほうがいいと強く言われて、心配になって当院へ来られました。
拝見するに確かに上の前歯が4本やや動きます。
食べる際は気を付けながら食べているそうです。
患者さん曰く、少し食べにくいのですがこれをすぐに抜いてインプラントのオペをするのは怖いという事でした。
基本的に私は歯がぐらつくという事だけで歯を抜くことはしません。
またインプラントが悪いものとも思ってはいません。
全ては適材適所でしょうか。
このケースで一番私が納得がいかないことはこの前歯は半年も持たずに抜けてしまうので、早く抜いてインプラントにした方がいいと言われたことです。
歯の寿命がそんなに簡単にいくら歯医者とは言えわかるものなのかという事です。
ちなみに結果的に2年以上持たせることが出来まして、患者さんも大変に喜んでおられました。
また手術が怖いという事でブリッジを選択され、仮の歯をお作りしてなんでも噛める状態にしてあげました。
歯を抜くという事は患者さんの体の一部を切り取ることです。
この決断は大変に重いもので我々も辛い事です。
ですからこそ患者さんと十分に話をして、後悔の無い治療方法の選択が大事かと思います。