虫歯でないのに歯が黄色い色をしていたり、茶色い色をしていたりすることがあります。
特に乳歯や第1大臼歯に見受けられることがあります。
これはエナメル質形成不全症であることも多いです。
原因ははっきりとはわかっていません。
同じ歯番(同じ形態、時期に生える左右の歯)の歯は同時期に作られることが多い為に左右で似たような変色があると、この病態が疑われます。
先日も1歳2か月のお子さんが来られて、あちこちに似たような変色が認められました。
お口の中の清掃状態は良くて汚れはほぼありません。
これならばたぶんその病態と思いつつも念のために鋭利な器具でひっかいてみると剥がれてくるのです。
なんと、歯石でした。
通常歯石は2歳以下のお子さんでは珍しく、またほとんどのケースは歯の裏側(ベロの側)につくのですが(原因は唾液の性状に依る為)そのお子さんは表側(唇の側)にしかもあちこちに散在してついていました。
やはり思い込みは厳禁です。
仮にエナメル質の形成不全症の場合、特に治療は必要ありません。
ただ歯の一番表層の強いエナメル質の一部の組成が完全に出来上がっていないために虫歯になりやすいという事は否めません。
ただその場所が虫歯の好発部位(なりやすい場所)でなければほとんど心配することも有りません。
経験ある程度の診断はつきますが、思い込みや早合点は禁物であると思いました。
反省の毎日です。