入れ歯の患者さんが来られました。
80歳を優に超えておられます。
ご本人はおしんこが食べられないという事で、またご家族は最近は食が細くなって心配という事でした。
拝見するに上下のいわゆる奥歯(大臼歯)同士で噛み合っている箇所は1か所だけ。
その上の歯は歯周病でグラグラ。
従っていわゆる奥歯で噛めるという場所はどこもない状態でした。
また上下に義歯を入れておられるのですが、その義歯もがたつきがありご飯食べることも難しい状態でした。
まず食生活習慣からの指導となりました。
患者さんはいろんな物を食べたいという意識があり、これは大変にいい事なんですが、ご自身の歯の状態の認識に欠けているという事をお伝えしました。
入れ歯でおしんこや生野菜が食べられるくらいなら私もこんなに悩んでどうやって歯を抜かないようにするかなどみじんも考えずに治療が出来ます。
やはり歯を抜いて入れ歯を入れるという事がいかに食べれら無くなるか、またいわゆるQOL(生活の質)を落とすか。
ひいてはFrail(フレイル:虚弱→食べらることなどが出来ないために体が弱っていくこと)を引き起こすか。
ですから固い物や腰のあるものは食べないように指導しました。
そして上下の不安定な入れ歯を作り直すこととしました。
果たしてこれでどこまで患者さんのご希望がかなえられるかはわかりませんが、まずは歯を抜かないことと少しでも食べやすくすることを目的として一から始めていこうと思います。
また経過がわかればご報告いたします。
入れ歯では食べられないという事を皆さんもお忘れなく!