入れ歯を作らなくてはならない患者さんはたくさんおられます。
ただお作りする際に私は2つの事をお話します。
1つはもちろん入れ歯の不具合さ。
もう1つはいつ作るかです。
すなわち入れ歯を初めて入れられる方は当たり前ですが、どんな感じになるか想像がつかないのです。
眼鏡を1つ作るにしても、実際に度の入ったグラスを付けると重さも感じも変わってくるように。
特に噛むべく歯の代用品がお口に入ると人間の器官で一番ナーバスであると言われる舌がいつもそばにいて、あれこれと入れ歯をいじくり不快だとか、邪魔だとか言い始める次第で、なかなかその違和感にはなれることが出来ない方が多いのです。
ならば一層の事入れないでおこうと考える方も沢山おられます。
こんな説明を聞いて、違和感があり自分の歯ほどしっかりと食べることも出来ないような代用品は要らないと感じる方も多いわけです。
でも確かに1.2本の歯が無いだけならそれもありですが、年数がたつとそのしわ寄せが他の歯にも及んできて、次の1本、次の1本と歯周病などで抜かなくてはならなくなることも多いのです。
ではいつ入れ歯を作るかと言う先述の話となるわけですが、当然若い方が適応能力も高く入れてくださる可能性は高いのですが、やはり齢80歳も超えてから初めての入れ歯となると、ほぼ必ず「自分の歯の時は噛めたけど入れ歯じゃ食べられない」とか、「ここが分厚くて入れていられない」とか、「しゃべりにくくてつい外してしまう」とか…
色んな状況の方がおられますので一概には言えませんが、必要があるならば遅くとも70歳くらいまでに入れ歯を入れたほうが、慣れる可能性が高いように思います。
入れなくて済むのが一番ですが…