矯正治療はもちろん患者さんサイドからすれば見た目の回復(審美性)が最重要点かと思います。
でも我々町医者としてはなかなかエステティックな観点から矯正治療の説明をすることは正しくないと私は考えています。
見た目を良くしたいというご希望が成人において発せられるならば甘んじて受けるつもりはありますが、お子様の治矯正治療を考えるにおいては少なくともその歯並びがお子様の健康に為害性があるという理由でないとなるべく説明をしないようにしています。
例えばかなり上の前歯が出ている方はほとんど上下の口唇閉鎖が出来ません。ですから唇は乾き冬場は荒れ、口呼吸(こうこきゅ)するためにのどの病気や風邪を引きやすくなります。
受け口(下顎前突)や過蓋咬合は咀嚼障害を引き起こしやすく人より食べることが遅いことが多いです。
歯並びががたがた(叢生)なお子さんは食べ物が歯に詰まりやすく将来的にも虫歯や歯周病のリスクがかなり上がります。
こういった健康上の問題を理由として矯正治療をお話しするようにしています。
ただ残念ながら健康保険の対象外である為に多額の費用が掛かります。
時間的にも永久歯が生えそろうまでの前段階と生え揃ってからの本装置。
終わってからの保定(後戻りしない装置)など、そこそこの時間がかかります。
なかなか大変な治療ですが、将来的なお子様の健康保持の為に必要であることも多いと感じています。