抜歯をした患者さんが抜歯後の治癒状況を見るために来ていただきました。
治癒状態は全く問題なく大丈夫でした。
ただ抜く前の歯の状態が悪くて歯から細菌感染が歯槽骨(顎の骨)まで波及していたようで、大きなクレーター状になっており食べた物も詰まるようです。
基本的には抜いた穴は数日で上皮化しますので、どんなに穴が大きくとも問題ありません。
むしろ気にしていじると、そこから傷ができて感染のリスクが増えますので、くれぐれも放置しておいてください。
早くて2か月弱、長いと4か月くらいかかってその穴はふさがります。
くれぐれも穴がいつまでも空いていることが傷の治りが悪いことと同等に考えないようにしてください。
また歯周病で抜いた場合は虫歯で抜いた時よりも概して傷の治りは早いです。
ブリッジを作るときでも歯周病で抜歯した患者さんには約1か月くらいで作ることが多いです。
一番の問題は抜いた直後です。
この時に感染を引き起こしていなければ、穴の開いている大きさなどは問題にしなくて大丈夫です。
極まれに抜いた直後にはは問題無かったのですが、しばらくして歯が出てきたという方がおられます。
先日も近隣の中核病院で歯を抜かれた方は親知らずを静脈内鎮静法という、治療後には何の処置をされたか全く記憶がなくいという麻酔をかけて、一挙に3本の親知らずを抜いた方が来られました。
抜いて数週間たつのですが抜いたところから歯が出てきた、と言うことでした。
拝見するにたぶん顎の骨の一部が歯を抜く際にかけて、それが「異物排除機能」として自分の体が自分の体の一部でないと判断して押し出してきたものかと考えられました。
すぐに前医の先生に再処置をお願いをしたところです。