義歯を長期間外さなかったという患者さんが来院されました。
今から数年前に義歯を作ったということでした。
外すように指導を受けなかったそうです。
では外してみようと思わなかったかと聞きますと、外せないそうです。
実際私がやっても左側は外れるのですが、右側が糸切り歯に引っかかって外せません。
しかもこれはいわゆる「ノンクラスプデンチャー」です。
すなわち入れ歯をばねが引っかかることによって外れないようになっているのですが、そのばねが無い入れ歯です。
ですから簡単に外れるはずですが外れません。
理由はその糸切り歯の周りをレジンという材質で固めてしまっているためでした。
歯のアンダーカットと言われるところに全周をレジンで埋めているために外そうとすると歯を抜いてしまう状況にあったからです。
その埋めたレジンの一部を削りやっと外すことができました。
しかしながら長期間(約4年以上)外さなかった義歯の為に、入れ歯の内面は汚れがいっぱい。入れ歯の下には治療されていない歯も数本残っておりこれらもプラークまみれ。
惨憺たる状況でした。
患者さんに今現在の状態と義歯の取り扱い方法をお教えして、今後新し義歯を作っていくこととなりました。
歯科医師は義歯を作ったらもう少し説明をきちっとするべきです。
しかもこの「ノンクラスプデンチャー」は保険ではできない義歯なのです。