今度ある患者さんの歯を抜くことになりました。
抜歯くらいはたいした話ではないのですが、この患者さんは約30年前からの患者さんで、当時歯周病の事でご相談に来られた方です。
その時すでに歯周病が進行しており、近い将来抜歯になるであろうという歯がすでに数本見受けられました。
当時はまだ歯周病に対する意識は皆さんあまりお持ちではなかったのですが、この患者さんは大変まじめでクレバーな方で、歯周病の事を熱心に聞いてこられ当時としては珍しく歯ブラシ指導から入った患者さんでしたので、しっかりとその時のことを記憶しておりました。
私も大学を卒業してから母校の歯周病学教室へ入局した関係で、当時は歯周病のオペもガンガンやっておりましたので、歯ブラシ指導から歯石除去を含めてその辺りの知識は負けないつもりで診療しておりました。
その方はそれ以来当院にお通いくださっているのですが、それから30年近くが経とうというのに抜いた歯は1本だけでした。
そして今回抜くこととなりましたのが、その当時からもやや揺れがあった歯です。
全体的な所見を勘案しまして総合的な診断としてはさすがにもう限界なのかと思うような状態で、患者さんも充分に納得してくださっています。
当時は数年で小さな部分入れ歯。
10年もすれば総入れ歯に近いような大きさの入れ歯になると思います、と私がお伝えした方が30年たってもたった2本の抜歯で済んでいるという事です(まだ抜いてはいませんが)
やはりこの状況を見て思う事は、歯ブラシの大事さでした。
今更ながら、この患者さんのご努力に敬意を表するとともに、感謝申し上げます。
大田区で歯周病治療をお考えの方は一度当院にご相談ください。