強くかむ癖のある患者さんは多いです。
問題は「自分は強くかんでなんかいない」と言われることが多いということです。
すなわち「自覚」が無いのです。
もちろん自覚症状を伴わないのだから、自覚がなくても当たり前なのですが…
そこがややこしいところで、この自覚のない方に如何にしてわかっていただくか。
毎回患者さんと明るい笑顔の元で、心中は「バトル」状態です。
例えばお豆腐を食べる時もそういう方は果てから見ていると、頬を上下に動かして咀嚼筋に目いっぱいの力を入れて顎を左右に擦切るように動かして食べている。
患者さん自身はそんな変な噛み方はしていないと思っているところへ、そんな話をするもんだから患者さんに頭から否定されるわけです。
でも実際にこのような患者さんは大変多いです。
じゃあそれが歯にどんな影響があるのか?
実は大変な状態に陥ることが多いのです。
今日来られて終診となった方は、神経の生きている歯を自分がかみしめる力で歯を割ってしまい神経を取った方ですし、今日来られた右上の歯がなんとなく痛いと言う方は左下に義歯が入っておりほとんど右側でしか噛まず、かつ食いしばりのある方で「食べ方」のご指導を申し上げて治療が終わりました。
こういう事で歯に過大な力が加わるとそれが原因でしみたり、噛むと少し違和感があったり、ひどい時は歯を割ったりする患者さんが散見されます。
ストレス社会のせいでしょうか。
まずは固いものを控えて、片側で食べないようにして、少し甘噛み程度の力で食べていただきたいとお願いしています。
でもえてしてこういう方は「それじゃあ、食べた気がしないよ」と文句を言われてしまします。
でも歯が失くなって噛めなくなってからでは遅いので、根気よく説明をすることにしています。