抜歯にはいろんな抜歯があります。
今日はお昼前の忙しい時間に、難抜歯の患者さんのお約束が入っていました。
本来ならば30分以上の時間の確保が必要なケースでした。
予め時間は取っておいたのですが、昨日からの急患のアポイントの電話攻勢が本日にも波及しており、結果的にその時間が短縮されてしまいました。
またその患者さんは上下に難抜歯の歯があり、どちらも時間がかかりそうでテクニックが必要なケースでした。
難抜歯とは医学的には
①根っこが開いているケース
②根っこが膨らんでいるケース
③根っこが癒着しているケース
④別のジャンルでもありますが往々にして親知らずの抜歯
以上となります。
今日のケースはそのどれにも属さないもので、虫歯が骨よりも下方へ進んでおり、抜歯というのはその歯に器具をひっかけて抜くのですが、その引っかかる場所が全くない。
そういう抜歯でした。
本来ならばあごの骨を削れば簡単に(そんなに簡単ではないのですが)抜けるのですが、そうすると大体患者さんは数日顔が腫れます。
そうならないように慎重にしたいのですが、いかんせん時間が無くて次の患者さんが何人も来られている。
その差し迫った中で、幸いにもあごの骨を削ることなく抜くことができました。
大変不謹慎な言葉ですが「ラッキー」でした。
しかしながら20歳をやや過ぎた患者さんで上下にこのような歯があると、将来的には非常に厳しい口腔内の状況が待っています。
皆さんもくれぐれもこのように状況になるまで放置することなく、早めの来院をお勧めします。
そうすれば治療を受ける側も施す側も、お互いに治療が楽になるので。